離婚・男女問題

2025/04/25 離婚・男女問題

相手方に不貞慰謝料500万円を請求されたが、交渉した結果、時効などによって支払いを免れた事例

① 事例

相手方に不貞慰謝料500万円を請求されたが、交渉した結果、時効などによって支払いを免れた事例

② 事案の概要

ご依頼者様は、ある日突然、不貞相手の妻と名乗る人物から「配偶者と不貞行為に及び、婚姻関係を破綻させた」として、慰謝料500万円を請求する内容証明郵便を受け取りました。

依頼者としては、不貞相手と言われている人物と関係があった時期には既に夫婦関係は冷え切っており、破綻していると言われていたこと、実際にその直後に離婚調停が始まったこと、その後、多額の財産分与を経て調停離婚をしていました。

そのため、ご依頼者様は、突然の高額請求に大変困惑し、請求者に対して言われるがまま支払うべきなのか、そもそも法的に支払義務があるのかも分からず、極めて不本意であるとのことで、当事務所にご相談に来られました。


③ 弁護士の対応

法律相談時において、不貞慰謝料請求に関する基本的な法的考え方(不法行為の成立要件、慰謝料額の相場、消滅時効など)と、本件における具体的な検討事項を整理しました。 特に本件では、①慰謝料請求権の消滅時効(損害及び加害者を知った時から3年)が完成している可能性、②慰謝料発生の前提となる「平穏な婚姻共同生活の侵害」について、不貞行為とされる時点より前に配偶者間の婚姻関係が既に破綻していると聞いており、実際に破綻状況にあったのではないかと伺われる事情がありました。そのため、婚姻関係が破綻していた可能性も指摘をし、さらに③相手方が請求のために職場に具体的な内容を記載した請求書面を送付していたため、プライバシー侵害等の違法性が含まれていないか、という点が重要であることをご説明しました。

ご依頼者様からの詳細な聞き取りに基づき、これらの点を法的に構成し、相手方の請求は認められない可能性が高いと判断しました。

さらにいえば、当該相手方は弁護士に依頼して請求を行っていました。

そこで、ご依頼をしていただいた後、直ちに上記①②③の点を具体的に指摘し、消滅時効を援用すること、仮に時効が完成していないとしても婚姻関係は依頼者と不貞相手と言われた方との関係を持つ以前に破綻していたこと、プライバシー侵害及び名誉毀損が成立し、請求行為が違法であるところ当方からも賠償請求を行う可能性があることを主張する反論書面を送付しました。

当該書面を送付した結果、こちらの主張内容と証拠内容から、次の手段をとることを断念し、慰謝料請求はそれ以上されないということになりました。

④ 弁護士のコメント

今回は、ご依頼者様が速やかにご相談くださり、法的な問題点を的確に把握できたことが、相手方の請求断念という結果に繋がった重要な要因です。

不貞慰謝料請求においては、請求された側にも主張できる正当な反論(時効、婚姻関係の破綻、証拠の問題など)が存在するケースがあります。

本件では、感情的な対立に陥ることなく、法的な論点を明確に整理し、相手方に対して論理的に主張を展開したことで、相手方も当方からの訴訟リスク等を考慮し、請求を断念するという合理的な判断に至ったものと思われます。

ご依頼者様は、最初に請求を受けた際には大変な精神的ストレスを感じておられましたが、弁護士に依頼し、法的な見通しや対応方針が明確になったことで精神的に楽になったとおっしゃっていました。

最終的に金銭を支払うことなく、かつ早期に問題が解決したことについて、大変満足していただけたことが印象に残っています。

当事務所の離婚・男女問題ページはこちら

当事務所の離婚・男女問題解決事例はこちら

弁護士ドットコムの離婚・男女問題ページはこちら

ココナラ法律相談の離婚・男女問題ページはこちら

 

© 池長・田部法律事務所