離婚・男女問題

2025/04/29 離婚・男女問題

配偶者と不貞行為をしていた2名の不貞相手に対し、慰謝料請求して、合計270万円獲得した事案

① 事例

配偶者と不貞行為をしていた2名の不貞相手に対し、慰謝料請求して、合計270万円獲得した事案

② 事案の概要

依頼者は、配偶者の不審な行動から不貞行為を疑い、調査を開始しました。

その結果、配偶者が特定の人物(A氏)と不貞関係にあるという証拠を得ました。

さらに調査を進める中で、A氏とは別に、もう一名(B氏)とも不貞関係にあったことが判明しました。

依頼者は、信頼していた配偶者による度重なる裏切り行為、さらに複数の相手がいたという事実に強い精神的苦痛を受けました。

依頼者は、配偶者と離婚するか否かは未定でしたが、まずは不貞行為に対する責任として、配偶者及び不貞相手であるA氏、B氏それぞれに対して、断固として慰謝料を請求したいと考え、弁護士に相談しました。

③ 弁護士の対応

依頼を受けた弁護士は、まず依頼者から詳細な事実関係(不貞行為の期間、頻度、内容など)を聴き取り、ご依頼者様がお持ちになっていた証拠(メール、SNSのやり取り、写真、LINEなど)を精査しました。

その上で、弁護士は以下の対応を行いました。

  1. 慰謝料額の算定: 不貞行為の期間、回数、婚姻期間、依頼者が受けた精神的苦痛の度合い、複数の相手がいたという悪質性などを考慮し、法的な相場観を踏まえつつ、請求する慰謝料額を検討しました。複数の相手がいる場合、慰謝料が増額される要素となり得ます。
  2. 交渉方針の決定: 配偶者、不貞相手A氏、B氏それぞれに対し、どのような順番で、どのような内容の請求を行うか、依頼者と協議の上で方針を決定しました。今回は、まず証拠がより明確で交渉が進めやすいと判断されたA氏から交渉を開始し、次にB氏と交渉を進めることとしました。
  3. 内容証明郵便による請求: 弁護士名で、各不貞相手(A氏、B氏)および配偶者に対し、不貞行為の事実を指摘し、慰謝料の支払いを求める内容証明郵便を送付しました。書面には、不貞の証拠を確保している旨も明記し、交渉に応じるよう促しました。
  4. 個別の交渉:
    • A氏との交渉: A氏は当初、請求額に対して大幅な減額を求めてきましたが、弁護士は証拠に基づき不貞行為の責任を粘り強く主張しました。交渉の結果、A氏は責任を認め、慰謝料として150万円を支払うことで合意に至りました。
    • B氏との交渉: B氏も同様に支払いを渋る姿勢を見せましたが、弁護士は最終的に、訴訟提起を行うことも辞さないという対応でB氏と交渉したことによりB氏が慰謝料として120万円を支払うことで和解しました。
  5. 示談書の作成: 各相手との間で合意した内容(支払金額、支払方法、支払期日、接触禁止条項、清算条項、口外禁止条項など)を明確にした示談書を作成し、取り交わしました。

弁護士のコメント

配偶者に複数の不貞相手がいた場合、原則として、それぞれの不貞相手に対して慰謝料を請求することが可能です。誰に請求するか、全員に請求するかは、被害を受けた方の自由です。

ただし、注意点として、不貞行為に対する慰謝料は、配偶者と不貞相手全員による「共同不法行為」として、全体で一つの損害(精神的苦痛)に対する賠償と評価される場合もあります。

そのため、例えば裁判で慰謝料総額が300万円と認定された場合であると、配偶者や複数の不貞相手から合計して300万円を超えて受け取ることは、原則として「二重取り」となり認められないことになります。

しかし、個別の事案に応じて、その評価は変わり得ます。

そのため、それぞれの相手方に対して慰謝料請求を行って、それぞれから慰謝料を獲得できる場合もあります。

特に交渉によって各相手との間で個別に合意が成立した場合や、それぞれの不貞行為の態様や期間が悪質であると評価された場合など、結果的にそれぞれの相手から100万円以上の支払いを受け、合計額が一般的な相場よりも高額になるケースは存在します。

裁判例も判断が分かれているものもありますが、現時点では、それぞれの不貞相手に請求できるという判断が主流ではないかと思われます。

複数の相手方との交渉は、時間的・精神的な負担が大きく、法的な論点も複雑になりがちです。

このようなケースでは、早期に弁護士にご相談いただくことで、ご自身の状況に応じた最適な解決策、法的に妥当な請求額、交渉戦略についてアドバイスを受けることができます。弁護士が代理人として交渉することで、冷静かつ有利に話し合いを進め、依頼者の負担を大幅に軽減することが可能です。

不貞慰謝料請求についても、戦略や対応によって、獲得できる慰謝料が変わる可能性があります。

当事務所では不貞慰謝料請求や逆に不貞慰謝料を請求されてしまった方のご対応を数多くお取り扱いしています。

特に感情的になりがちな分野であり、ご自身でのご対応が思ったよりも難しい分野です。

特に過剰な請求を行ってしまったり、請求方法によっては犯罪になってしまう場合もあり、ミイラ取りがミイラになりかねないものでもあります。

池長・田部法律事務所では、上尾・桶川・伊奈町のみならず、北本、鴻巣、久喜、加須、幸手やさいたま市、川口市、川越市、熊谷市など、埼玉県全域からお問い合わせをいただいております。

また、時には群馬県や栃木県、茨城県などの北関東や、東京、千葉、神奈川などからのお問い合わせ、福島県や岩手県など、埼玉県のみならず、全国からのお問い合わせに対応を行っております。

不貞慰謝料に関する問題について、お困りの方はぜひ、当事務所にご相談ください。

当事務所の離婚・男女問題ページはこちら

当事務所の離婚・男女問題解決事例はこちら

弁護士ドットコムの離婚・男女問題ページはこちら

ココナラ法律相談の離婚・男女問題ページはこちら

© 池長・田部法律事務所