刑事事件

2025/05/10 刑事事件

路上で女性に抱きつき、不同意わいせつ致傷罪で逮捕・勾留。被害者と示談で不起訴になった事例

① 事例

路上で女性に抱きつき、不同意わいせつ致傷罪で逮捕・勾留。被害者と示談で不起訴になった事例

② 事案の概要

ご依頼者様は、通勤途中の路上で、歩いてきた面識のない女性に対し、突然後方から抱きつくという行為に及びました。

女性は驚いて抵抗し、その際にしゃがみ込むように転倒してしまい、膝に擦り傷や打撲などの怪我を負いました。

ご依頼者様はあわてて逃げましたが、その後その女性が警察に通報し、しばらく経ってから警察による捜査によってご依頼者様は特定されて、逮捕されました。

逮捕後、依頼者は警察の取調べを受け、その後、検察官により勾留請求がなされ、裁判所もこれを認めたため、10日間の勾留が決定されました。不同意わいせつ致傷罪は重大な犯罪であり、起訴されれば裁判員裁判になり、実刑判決を受ける可能性も極めて高い事案でした。

ご依頼者様には性犯罪の前科はありませんでしたが、突然の逮捕・勾留に大変動揺し、自身の犯した行為の重大さを痛感していました。

被害者に恐怖と苦痛を与え、怪我まで負わせてしまったことを深く反省し、厳しい処罰を覚悟しつつも、何とか被害者に謝罪し、許しを得たいと強く望んでいました。

ご依頼者のご家族から、逮捕の連絡を受け、当事務所に弁護の依頼がありました。

③ 弁護士の対応

・勾留直後の迅速な接見と方針説明: 依頼を受けた弁護士は、直ちに依頼者が勾留されている警察署へ接見に向かいました。ご依頼者様から詳細な経緯を聴取し、不同意わいせつ致傷罪の法的な説明、今後の手続きの流れ、そして何よりも被害者の方との示談成立、特に宥恕を得ることが不起訴処分獲得のために最重要であることを説明しました。・被害者との示談交渉の開始: 弁護士は、検察官を通じて被害者の連絡先情報を取得し、被害者の心情に最大限配慮しながら、謝罪と示談交渉の申し入れを行いました。被害者は弁護士に依頼したため、示談交渉は被害者代理人を通じての対応となりました。突然の出来事であったために恐怖が強く、示談に対して難色を示していました。・粘り強い交渉と宥恕付き示談の成立: 弁護士は、依頼者の深い反省の気持ちと謝罪の意を繰り返し伝え、示談金の提示を行いました。示談交渉は複数回にわたり、被害者代理人も非常に厳しい条件を述べており、ご依頼者と何度か接見にて調整を行う必要などがありました。また、原資が多くない中で、示談金もかなり高額な金額を請求されていましたが、真摯な反省と謝罪の気持ちが被害者にも伝わり、最終的にはある程度の減額を行ってくれた上「依頼者の刑事処罰を求めない」という宥恕条項を含む示談書を取り交わし、なんとか示談を成立させることができました。
・検察官への働きかけと不起訴処分の獲得: 弁護士は、宥恕条項付きの示談書が成立したことを直ちに検察官に報告し、示談書写し、依頼者の反省文、家族による今後の監督を誓約する書面などを添付した意見書を提出しました。意見書では、被害者への示談がなされ、被害者が宥恕していること、依頼者が深く反省し二度とこのような事件を起こさないと誓っていること、前科がないことなどを詳細に主張し、不起訴処分が相当であると強く求めました。

その結果、検察官は諸般の事情を総合的に考慮し、依頼者を不起訴処分とすることを決定し、依頼者は勾留期間満了前に釈放されました。

④ 弁護士のコメント

不同意わいせつ致傷罪は、被害者の性的自由を侵害し、かつ傷害という結果まで生じさせている点で非常に悪質性の高い重大犯罪です。

そのため、逮捕・勾留されることが多く、起訴されれば裁判員裁判となるため、裁判までも長くなる可能性が高く、初犯であっても実刑判決が下される可能性も十分にあります。

このような重大な性犯罪事件において、不起訴処分を獲得するためには、被害者の方との間で「宥恕(許し)付きの示談」を成立させることが極めて重要です。

被害者の方が被った精神的・肉体的苦痛は計り知れず、示談交渉は困難を極めることが多いですが、弁護士が間に入ることで、依頼者の真摯な謝罪の気持ちを伝え、適切な被害弁償・示談交渉を行うことで、被害者の方のご理解を得られるよう尽力します。

本件は、逮捕・勾留という厳しい状況下で、弁護士が迅速かつ丁寧な弁護活動を行い、何よりも被害者の方の心情に寄り添いながら粘り強く交渉を重ねた結果、宥恕付きの示談を成立させ、最終的に不起訴処分という最良の結果を得ることができた事例です。

これにより、依頼者は前科が付くことを回避し、早期に社会復帰を果たすことができました。

不同意わいせつ事件を起こしてしまった場合、一刻も早く弁護士に相談し、適切な対応をとることが、ご自身の将来にとって非常に重要となります。

特に不同意わいせつ致傷事件は重大事件です。

性犯罪の中でもかなり悪質と言われている事件ですので、特に速やかな対応が必要になります。

性犯罪については、当事務所の近くの上尾警察署や鴻巣警察署以外にも大宮警察署、浦和警察署、蕨警警察署、川口警察署、朝霞警察署など埼玉県内の警察署の案件を多数扱っております。

特に不同意わいせつや不同意性交等に関しては、非常に対応が難しい事件になりますので、速やかに弁護士に依頼することをご検討ください。

当事務所では、痴漢・盗撮のみならず、不同意わいせつや不同意性交など幅広く性犯罪の問題について取り扱っております。

万が一、性犯罪を起こしてしまったら、池長・田部法律事務所にご相談ください。

 

当事務所の刑事事件ページはこちら

当事務所のその他の刑事事件解決事例はこちら

弁護士ドットコムの犯罪・刑事事件注力ページはこちら(外部サイト)

池長宏真弁護士のココナラ法律相談紹介ページはこちら(外部リンク)

田部恭兵弁護士のココナラ法律相談紹介ページはこちら(外部リンク)

© 池長・田部法律事務所