2026/06/17 コラム
性犯罪の被害に遭われたあなたへ:弁護士が隣にいることの意味とメリット
はじめに
このページをご覧になっているあなたは、今、性犯罪という、決してあってはならない卑劣な行為によって、心と身体に深い傷を負い、計り知れない恐怖と混乱、そして深い悲しみの中にいらっしゃるかもしれません。「なぜ自分がこんな目に」「誰にも言えない」「これからどうなってしまうのだろう」…そんな思いで、一人、暗闇の中で苦しんでいらっしゃるのではないでしょうか。
まず、一番にお伝えしたいことがあります。 「あなたは、決して悪くありません。」 悪いのは、100%、あなたの尊厳を踏みにじった加害者です。自分を責める必要はまったくありません。
そして、どうか、その苦しみを一人で抱え込まないでください。想像を絶するような辛い体験の後、心と身体を回復させ、失われたものを取り戻していくためには、信頼できる人のサポートが必要です。その中でも、法律の専門家である弁護士は、あなたの権利を守り、心の負担を軽くし、未来への一歩を踏み出すための大きな力となることができます。
このコラムでは、性犯罪の被害に遭われたあなたが、弁護士に相談・依頼することで、どのようなサポートを受けられるのか、そのメリットについて具体的にお伝えします。また、弁護士費用に関する援助制度についてもご紹介します。
性犯罪被害者が直面する困難
性犯罪の被害は、目に見える傷だけでなく、心に以下のような深刻な影響を及ぼし、様々な困難に直面させます。
- 深い精神的ダメージ: 突然フラッシュバックに襲われたり、夜眠れなくなったり、人を信じられなくなったり、自分を価値のない存在だと感じてしまったり…(PTSD:心的外傷後ストレス障害)。心の傷は長期にわたることがあります。
- 捜査機関への対応の負担: 警察に被害を届け出ても、事情聴取で辛い体験を何度も詳細に話さなければならず、それが更なる精神的苦痛(二次被害)となることがあります。
- 加害者側との接触への恐怖: 加害者やその家族、代理人などから連絡が来たり、謝罪や示談を迫られたりするのではないかという恐怖や不安に苛まれます。
- 孤立感: 「恥ずかしい」「知られたくない」「誰も分かってくれない」という思いから、家族や友人にも相談できず、一人で苦しみを抱え込んでしまいがちです。
- 法的手続きの複雑さ: 刑事告訴や損害賠償請求など、自分の権利を守るためにどのような手続きを取ればよいのか分からず、途方に暮れてしまうことがあります。
弁護士に依頼するメリット【あなたの権利と尊厳を守るために】
このような困難な状況において、弁護士はあなたの傍らに立ち、様々な形であなたをサポートします。
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精神的な支えとなり、安心感をもたらします
- 弁護士は、まずあなたの話を丁寧に、共感をもって聞きます。あなたの辛い気持ちを受け止め、秘密を守りながら、法的な観点から今後の見通しや取りうる選択肢を分かりやすく説明します。混乱した状況の中で、何をすべきかが見えてくることで、少しずつ落ち着きを取り戻す手助けとなります。「一人ではない」「専門家が味方だ」という安心感は、回復への大きな力になります。
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捜査機関への対応をサポートし、二次被害を防ぎます
- 警察への被害届や告訴状の作成・提出をサポートします。ご自身で作成する負担や、何をどう書けばよいか分からないという不安から解放されます。
- 警察での事情聴取に弁護士が付き添って対応する場合もあります。 辛い記憶を話す際の精神的な支えとなるだけでなく、捜査官からの不適切な質問や高圧的な態度があれば、その場で指摘し、あなたの尊厳が守られるよう努めます。あなたの意向を捜査機関に的確に伝える役割も担います。
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加害者側との「壁」となり、あなたを守ります
- 弁護士が全ての連絡窓口となります。加害者本人やその家族、加害者側の弁護士からの連絡は、すべて弁護士が受け、あなたは一切直接対応する必要がなくなります。これにより、加害者側との接触による恐怖やストレスから完全に解放され、安心して日常生活を送るための環境を守ります。
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あなたに代わって、示談交渉を行います
- 加害者側から示談(謝罪や示談金の支払い)の申し入れがあった場合、弁護士があなたに代わって交渉します。加害者側の提示額は、被害の重大さに比べて不当に低い場合がほとんどです。弁護士は、あなたの受けた被害(身体的・精神的苦痛、治療費、休業損害など)を正当に評価し、適切な金額の示談金を毅然として請求します。もちろん、示談に応じるかどうか、どのような条件なら受け入れるかは、すべてあなたの意向を最大限尊重して進めます。
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刑事裁判への参加をサポートします
- 加害者が起訴された場合、刑事裁判であなたの思いを伝えたいと考えるかもしれません。「被害者参加制度」を利用すれば、法廷で意見を述べたり、被告人に質問したりすることができます。弁護士は、この制度の利用手続きから、法廷での実際の活動まで、あなたを全面的にサポートし、負担を軽減します。
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民事訴訟で損害賠償を請求します
- 示談が成立しない場合や、刑事手続きとは別に、加害者に対して損害賠償を求める裁判(民事訴訟)を起こすことも可能です。弁護士が代理人となって訴訟を進め、あなたの受けた損害に対する正当な賠償を求めます。
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あなたの安全確保に配慮します
- 加害者からの接触や嫌がらせなどが続く場合、必要に応じて接近禁止の仮処分申し立てなど、あなたの安全を守るための法的な措置などの検討を行います。
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必要な支援機関との連携もサポートします
- あなたの状況に応じて、信頼できるカウンセリング機関や医療機関、他の被害者支援団体など、必要なサポート機関との連携をお手伝いします。
弁護士費用について【援助制度があります】
「弁護士に依頼すると費用が高いのでは…」と心配されるかもしれません。しかし、性犯罪の被害に遭われた方などが利用できる公的な費用援助制度があります。
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法テラス(日本司法支援センター)の「民事法律扶助制度」:
- 収入や資産が一定の基準以下の場合に、弁護士に対する法律相談や依頼の費用の立て替えが受けられる制度です。一定の法律事務所で利用相談が可能です。ただし、必ずしも利用できるわけではないことに注意が必要です(例えば、当事務所では原則法テラス利用の民事事件のご依頼は受けていません。)
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日本弁護士連合会(日弁連)の「犯罪被害者法律援助」:
- 性犯罪、殺人、傷害など、生命や身体に重大な被害を受けた犯罪被害者の方を対象とした制度です。
- この制度を利用すると、弁護士への法律相談費用(初回無料など)や、刑事手続きへの参加(被害者参加)、示談交渉、損害賠償請求(民事訴訟など)を行う際の弁護士費用(着手金・報酬金・実費など)の援助(立て替えや免除)**が受けられる場合があります。
- この日弁連の援助制度の大きな特徴の一つは、法テラスの民事法律扶助制度と比較して、収入や資産に関する要件が緩やかに設定されている(あるいは、資力に関わらず利用できる場合がある※)点です。そのため、法テラスの基準では援助が受けられなかった方でも、この制度を利用できる可能性があります。
(※制度の詳細や運用は変更される可能性がありますので、最新の情報をご確認ください。)
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- 利用を希望される場合は、まず弁護士にご相談いただき、この制度の利用が可能かどうか、弁護士を通じて申請手続きを行うことになります(こちらの制度は当事務所で利用可能です。)。
このように、弁護士費用を支援する公的な制度が複数存在します。費用のことが心配で、弁護士への相談をためらう必要はありません。 まずはお近くの弁護士事務所や法テラス、犯罪被害者支援に力を入れている弁護士会などにお問い合わせください。
まとめ:あなたは一人ではありません
性犯罪の被害は、あなたの心と身体、そして人生に深い影を落とします。その苦しみは、経験した人にしか分からないかもしれません。しかし、あなたは決して一人でその重荷を背負い続ける必要はありません。
弁護士は、あなたの法的な権利を守る盾となり、加害者側との交渉や複雑な手続きの代理人となり、そして何よりも、あなたの辛さに寄り添い、前を向くための一歩を支える伴走者となることができます。
今、もしあなたが暗闇の中にいると感じているなら、どうか勇気を出して、私たち法律の専門家にご相談ください。弁護士には守秘義務がありますから当然秘密は厳守します。あなたの話を聞き、あなたができること、私たちができることを一緒に考えさせてください。
あなたは、決して悪くありません。 そのことをどうか忘れないでください。
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