2022/08/27 相続問題
親が離婚して行方知れずだったが、債権者からの連絡により親の死亡を知り、相続放棄を行った事例
①事例
親が離婚して行方知れずだったが、債権者からの連絡により親の死亡を知り、相続放棄を行った事例
②事案の概要
ご依頼者様は両親が離婚した後、母親と一緒に生活をするようになりましたが、大学生活を機に一人暮らしをしていました。
あるとき、ポストの手紙を見てみると父親の名前があるものの、自分に費用を支払ってもらいたいという、ある債権者からの手紙が届いていました。
事情がわからなかったご依頼者様は、手紙にあった債権者に連絡をしてみたところ、父親が死亡したこと、ご依頼者様が相続人であるため、費用を支払ってもらいたいとのことで連絡をしたとのことでした。
その費用ですが、500万円を超える費用でした。
到底自分では支払えないと考えたご依頼者様は、弁護士にどうすればいいか、と相談に来ました。
③弁護士の対応
父親が亡くなったとされた日から3ヶ月が経っていませんでした。
また、父親が他に財産を保有しているか確認したところ、目ぼしい財産はありませんでした。
そのためすぐさま相続放棄を行う方向で話を進めました。
なお、父親は生命保険に加入していましたが、受取人はご依頼者様になっていたことから生命保険金は相続財産にはならないと分かりました。
そのため、生命保険金は受け取り、それ以外は相続放棄をして、うまくプラスの資産のみが残せる状態になりました。
資料を整えて裁判所に対して相続放棄申述の申立てを行い、裁判所もすぐに受理をしたため、相続放棄手続は滞りなく完了しました。
債権者に相続放棄したことを伝えたところ、分かりました、これ以上請求することはありません、と言ってもらうことができました。
④弁護士からのコメント
今回のご依頼者様のようにお亡くなりになった方の借金が多く残っている場合には相続放棄を検討すべきです。
相続放棄については期間制限があることから初動から適切に対応することが重要です。
相続放棄すべきかどうか悩んでいるうちに相続放棄できなくなってしまった、という事態も起きてしまうことがありますし、お亡くなりになった方の金銭や預金を動かしてしまった場合には相続放棄が認められなくなってしまう場合もあります。
できるだけ速やかに相続放棄すべきかどうか、相談をしてください。
万が一、お亡くなりになった方が死亡して3ヶ月が経ってしまっていても、まずは弁護士にご相談ください。場合によってはまだ相続放棄ができる可能性もありますし、相続放棄できずとも別の方策を考えることも可能です。
誤ったアドバイスを受けてしまい、相続放棄できなくなってしまうことが、最悪のシナリオです。
相続については、行政書士、司法書士、税理士、なと様々な士業が絡むことが多いですが、まずは弁護士に相談してみてください。
弁護士ももちろんある程度の部分は回答することができますが、より専門的な手続が必要な場合には、その問題は税理士の方がより適切ですよ、とか、その問題は司法書士の方がより詳しいですよ、などと振り分けることも可能です。
どの士業に相談しようか迷ったらまずは弁護士にご相談ください。