その他

2022/11/05 その他

自動車購入トラブルで解約できないと店舗側に言われたが弁護士介入で円満契約解除となった事例

①事例

自動車購入トラブルで解約できないと店舗側に言われたが弁護士介入で円満契約解除となった事例

②事案の概要

ご依頼者様は、中古車を中古車販売業者から購入しようとしたところ、納車前日にトラブルがあり、納入できない、修理が必要と言われました。

すぐに修理が終わり、納車できるからと言われたため待っていましたが一向に納車されず、3ヶ月ほど待たされても修理もいつ終わるのかわからない状況でした。

不安になったご依頼者様はその中古車販売業者に、もう契約は解除したいと述べたところ、「キャンセルが予定されている契約ではない」と言われてしまいました。

別の中古車販売業者に相談に行ったところ、それはおかしいんじゃないか?などと言われ、ますます不安になり、弁護士に相談しようと思い立ち、当事務所にご相談に来られました。

中古車は、ローンを組み購入することとなっていたため、契約の一部が履行されている場合には、契約解除が困難になる可能性がありました。

ただし、現在保有している車も下取り価格が異様に低い金額で下取りがなされることになっていたことや3ヶ月が経過しても修理が終わらないというのはかなり不審な点が多いという状況でした。

③弁護士の対応

本件について、当初話を聞いた限りでは、単純に契約を解除することができない可能性があり、交渉が難航したり、場合によっては訴訟による解決も視野に入れなければならないと考えていました。

また消費者契約法に基づく取消しを行うにしても、原状回復としてキャンセル料が発生する余地はあり得ましたので、この点についても少し頭を悩ませることになりました。

しかし、ローン会社に通知を行い、事情を確認しました。

そうしたところ、ローン会社からはすでに、売買契約を正式に締結することはできないと自動車販売店に対して、拒絶の意思表示がされていることが分かりました。

ローン会社から拒絶の意思表示が示されているのであれば売買契約は成立しないか当然に解除されるという契約条項になっていることが通常で、解除条件付売買契約となっているはずですし、実は本件もまさにこういった条項になっていました。

すでにローン会社に拒絶されていたにもかかわらず、「キャンセルが予定されている契約ではない」などという販売会社の言動も極めて悪質であることが判明したため、詐欺などで刑事告訴することや民事で損害賠償をすることも検討したのですが、ご依頼者様が相手と関わりたくないといった意向などにより、断念することとなりました。

最終的に販売会社全体が悪質性を有した販売を行っていたのか、担当者ベースのみが悪質であったのかは分かりかねる部分となってしまいましたが、もしも可能であるならば悪質業者と徹底的に責任追及を行っていこうと考えていました。

結局最後は会社代表から謝罪があり、売買契約に利用した書類が返却されて、終わることとなりました。

 

④弁護士のコメント

当事務所としては、このようなご相談は全く定型的なご相談ではなく、取り扱い分野として掲げているわけではありませんでした。

当事務所は、取扱分野として掲げているわけではない分野であっても、ご相談の概要を伺い、弁護士のアドバイスの必要性があることが判明すれば、ご相談の機会を設けて、アドバイスを行います。

また、当事務所として対応可能ということであればお見積りをさせていただき、ご提案をさせていただいております。

本件はまさしく法律相談をしたいというご依頼者様の強いご要望があり、事案の概要を確認したところ、消費者被害でお困りであったこと、当事務所としてお力添えできる可能性があると考えたため、ご依頼するかどうかを提案いたしました。

ご依頼者様のご依頼のご希望も強かったことからご依頼となりました。

本件では、法律的な議論を詰める必要があったため2人の弁護士が知恵を総動員し、議論も深夜に及ぶこともありました。

議論を尽くした上でどうすれば相手方の悪質性が暴かれるのか、また、相手方がどうすれば適切に動いてくるのか、という点にとにかくこだわり抜きました。

結果として、当事務所にご依頼いただいてからわずか2週間ほどで最終的な解決まで至ることができましたので、非常にスピーディな解決となりました。

ご依頼者様も完全に解除できたことに非常に満足され、我々の議論や対応が功を奏した好例にもなりました。

 

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