2024/06/19 交通事故
保険会社から過失割合5:5の提示があったが、弁護士介入後に提訴し2:8での和解となった事例
①ご依頼の経緯
駐車場から道路に進入したところ、道路内で相手方車両と接触したという事案で、相手方保険会社から過失割合についてご依頼者様5:相手方5(以下、ご依頼者様の過失割合を先に示します。)との提案がありました。
この提案に納得がいかないということで弁護士費用特約を利用し、ご相談ご契約となりました。
②弁護士の対応
保険会社から提示された内容を確認すると、相手方保険会社は、とある高等裁判所の裁判例を根拠に過失割合5:5との見解を示しているようでした。
上記裁判例を確認すると、事故状況が本件とは全く異なるものでしたし、過失割合を5:5とした根拠についても本件には当てはまらないものでした。
そこでまずは相手方保険会社に対して、上記のとおり説明しましたが、相手方保険会社としては過失割合を5:5から修正することはできないとのことでした。
そのため、これ以上の話し合いは望めないと考え、速やかに提訴しました。
裁判所に提出する主張書面において、こちら側に過失がないこと、あるとしても相当限定的なものであると主張しました。
結果としては、裁判所から2:8での和解提案があり、これに合意し和解となりました。
③弁護士からのコメント
保険会社は、裁判例を示して過失割合について交渉を行ってくることがあります。
被害者ご本人としては、その裁判例を確認したとしても、「だから何?」となってしまうことが通常かと思います。
そのような際は、保険会社の主張を鵜吞みにせず弁護士に相談すべきです。
本件でも、弁護士費用特約があったことで費用面を気にすることなく、ご依頼となりました。
ご相談の段階で、㋐交渉では保険会社が過失割合5:5という主張内容を動かさない可能性が高いこと、㋑裁判になった際には過失割合5:5からこちらに有利になる可能性が高いことをお伝えしました。
㋐実際に交渉を開始したところ保険会社はこちらの主張に理解を示すことはなかったため、速やかに提訴して早期解決を目指しました。
㋑提訴後、3回目の期日で、裁判所から過失割合2:8との和解提案がありました。なお、当然、提訴後、相手方にも代理人が就きましたが、交渉段階において保険会社が示した裁判例については何ら触れられませんでした。
保険会社の主張内容が妥当なものか、どのように今後の手続きを進めるべきか、よくわからないという場合はまずは弁護士に相談してください。