2023/04/02 刑事事件
強制わいせつ事件において逮捕から72時間以内に示談が成立し、勾留が解かれて不起訴を得た事件
①事案
強制わいせつ事件において72時間以内に示談が成立し、勾留が解かれて不起訴を得た事件
②事案の概要
逮捕当日にご家族からご連絡を受けました。
ご家族からは勾留を阻止するとともに、会社からの解雇は防ぎたいというご要望がありました。
③弁護士の対応
罪名的には少し勾留の可能性もあると思いましたが、そこはあきらめずにできる限りのことをして勾留を防ぎたいと思いました。
そこで、依頼時にご家族の身元引受書と示談金を預かるなど、様々な対応ができるように調整したうえで、警察にて本人と接見を行ったうえで、検察庁と裁判所に提出する意見書を作成しました。翌日が検察庁への身柄送致、勾留質問というところでしたので、速やかに意見書を提出しました。その後、残念ながら勾留されてしまうことになりましたので、被害者の方へのコンタクトを優先したところ、被害者の方へはすぐにコンタクトが取れました。
示談交渉を開始し、当日中に被害者の方が示談を受け入れてくれることとなりましたので、翌日示談の場を整えて、示談を行うことができ、その日に被疑者の方は釈放されるとともに、不起訴となりました。
④弁護士のコメント
今回は、速やかに被害者の方にコンタクトが取れたことは非常に幸運でしたが、できるだけの準備をして示談に備えることができたことができたことも速やかな示談につながりました。刑事事件はスピードが本当に重要です。ご家族の方が逮捕されてすぐに弁護士にご連絡をいただけたということで準備を整える時間がそれなりにあったというところもこの結果に大きくつながっていると思います。
逮捕は48時間以内、勾留請求まで24時間以内、勾留されてからは10日間と非常にタイトなスケジュールで動いていますが、逮捕されてからの48時間以内でどのような活動ができるのか、というのが後々の結果に大きくかかわってきます。
本件は逮捕されてから2日目で勾留が決まってしまいましたが、被害者の方にコンタクトをとった日に示談をしてもらえることになったため、示談がほぼ終了していました。
国選弁護人の場合には、勾留が決定してから選任手続が始まりますので、72時間は何もできない場状態で事件が進行していき、場合によっては勾留2日目に選任されるということもあります。
使えたはずの72時間を拘束されたままということになりかねませんし、現代でも虚偽自白というものはまだあります。弁護士がいかに早く被疑者の方へ接見へ行くということも非常に重要に感じます。
様々な対応を行うためにも、家族が逮捕されたという場合にはできるだけ速やかに弁護士に相談することが望ましいと改めて感じた事件でした。
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