刑事事件

2025/05/05 刑事事件

電車内における性器露出、公然わいせつを行ったものの不起訴となった事例

① 事例

電車内における性器露出、公然わいせつで不起訴となった事例

② 事案の概要

ご依頼者様は、会社員で、年末に職場で酒を飲んで泥酔して帰宅しました。

ただ、仕事のストレスやプレッシャーを感じていた時期ということもあり、帰宅途中の電車内において、他の乗客がいる状況で、衝動的に自身の性器を露出してしまいました。

その行為は近くにいた女性の乗客に目撃され、その乗客が次の駅で駅員に申告しました。

後日、駅の防犯カメラ映像や目撃者の証言などからご依頼者様が特定され、警察から任意での出頭要請を受けました。

ご依頼者様は警察署で取調べを受け、公然わいせつの容疑(被疑事件)で捜査が進められることになりました。

ご依頼者様には同種の前科はなく、定職に就き、家族もいる状況でした。

ご依頼者様は自身の行為を深く後悔し、強い羞恥心と、このまま起訴されて前科がつき、職や家族を失うのではないかという強い不安を抱えて、当事務所に相談に来られました。

③ 弁護士の対応

・事情聴取と方針決定: 弁護士はご依頼者様から事件の経緯、動機、生活状況などを詳細に聴取しました。

公然わいせつ罪の成立要件や今後の手続き、不起訴処分を獲得するための戦略について説明しました。本件では公然わいせつであるため、そもそも法律的には直接の被害者は存在しません。

しかし、目撃した女性については実質的な被害者であると考えて示談交渉を行うこととして、検察官に対して目撃者と連絡をとって示談交渉を行いたいことを伝えました。

目撃した女性の方とはすぐに連絡が取れて、ご依頼者様が意図して見せようとしていたわけではなかったこと、迷惑をかけてしまって申し訳ないと謝罪していることなどを丁寧に説明したところ、快く示談を受け入れてくれました。

・反省と原因究明のサポート: ご依頼者様が自身の行為と向き合い、真摯に反省していることを示すため、詳細な反省文・謝罪文の作成をサポートしました。

また、ご依頼者様が行為に至った背景に強いストレスや精神的な要因がある可能性を考慮しました。

・再犯防止策の具体化:本件ではお酒を飲んで泥酔したことも起因していたため、お酒を控え、ご依頼者様には断酒することを勧めました。

・検察官への意見書提出と交渉: 弁護士は、上記内容(反省文、家族の協力と監督を約束する書面、示談書など)証拠資料として添付した意見書を作成し、担当検察官に提出しました。

ご依頼者様が深く反省し、二度と同様の過ちを繰り返さないために具体的な行動を起こしており、更生への意欲が高いこと、安定した社会生活を送っていることなどを強く訴え、不起訴処分が相当であると主張しました。

・不起訴処分の獲得: 検察官は、弁護士から提出された証拠や意見、依頼者の反省の度合い、再犯防止策の具体性などを総合的に考慮し、本件を不起訴処分とすることを決定しました。

④ 弁護士のコメント

公然わいせつ罪は、社会の性的秩序や道徳感情を害する犯罪であり、決して軽視されるものではありません。

有罪となれば前科がつき、社会生活に大きな不利益が生じる可能性があります。

痴漢などのように直接的な被害者が明確な事件とは異なり、公然わいせつ事件では特定の被害者がいない場合もあるため、そもそも示談ができないといった困難な場合から始まることも多くあります。

そして、なにより上記痴漢や不同意わいせつ罪などと異なり、個人の被害(個人の法益侵害)ではなく、公益を侵害(社会的法益を侵害)する罪であることから、直接の被害者は社会全体であって、目撃した人はあくまでも被害者ではないと考えると検察官としては示談をすることなどを考慮しない場合もありえます。

そのような場合でも、不起訴処分を獲得するためには、本人の深い反省はもちろんのこと、「なぜそのような行為に至ったのか」という原因を分析し、「二度と繰り返さないために具体的に何をするのか」という再犯防止策を明確に示すことが極めて重要になります。
本件のように、背景に精神的な問題やストレスが関与しているケースも少なくありません。

本件とは異なりますが、このような背景を持っている場合には専門家の診断や治療を受けることは、本人の更生にとって有益であるだけでなく、検察官に対して再犯可能性が低いことを示す客観的な証拠にもなり得ます。

弁護士は、依頼者が自身の問題と向き合い、具体的な再犯防止策を立てるためのサポートを行い、それらの取り組みを説得力のある形で検察官に伝える役割を担います。

もし公然わいせつ事件で捜査を受けてお困りの場合、早期に弁護士にご相談ください。

適切な弁護活動を通じて、前科回避と社会復帰を目指すことが可能です。

当事務所では、痴漢や盗撮(性的姿態等撮影罪を含む)、不同意わいせつ、不同意性交等、公然わいせつ罪などの性犯罪について数多く取り扱ってきました。

上尾警察署の事件のみならず、大宮警察署、浦和警察署、蕨警察署、川口警察署など、埼玉県内の警察署の事件の対応を行っています。

また、埼玉県内のみならず東京や千葉、神奈川などの警察署の対応もあり、埼玉県外の警察署での対応も行っています。

わいせつ事件・性犯罪を起こしてしまった場合、まずは池長・田部法律事務所にお問い合わせください。

 

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