刑事事件

2025/05/04 刑事事件

電車内の暴行事件、勾留請求されず、被害者との粘り強い交渉によって示談獲得、不起訴となった事例

① 事例

電車内の暴行事件、勾留請求されず、被害者との粘り強い交渉によって示談獲得、不起訴となった事例

② 事案の概要

ご依頼者様は、会社の通勤中の混雑した電車内において、たまたま人身事故で混雑していた状況の中で姿勢を変えようとしました。

そうしたところ、電車の揺れなどもあり、手を出してバランスを取ろうとしたところ他の乗客の顔面にパンチする形になってしまいました。

さらに偶然、近くに通勤途中の警察官がいて、ご依頼者様は暴行の現行犯逮捕ということになりました(その後、被害者の方が怪我をしたとのことで傷害事件になりました。)。
ご依頼者様は、過去に刑事事件を起こしたことはなく(初犯)、定職に就き、家族もいる状況でした。

逮捕されたことによるショックは大きく、このまま勾留されてしまうのではないか、今後の社会生活に重大な支障が出るのではないかと大変不安を抱えていました。

逮捕されたことを知ったご依頼者様のご家族から、当事務所に弁護の依頼がありました。

③ 弁護士の対応

迅速な接見と状況把握: 依頼を受けた弁護士は、直ちに警察署へ接見に向かいました。

ご依頼者から詳細な経緯を聞き取り、事件の状況、依頼者の反省の度合い、今後の見通しなどを丁寧に説明し、不安の軽減に努めました。
勾留請求阻止のための活動: 弁護士は、ご依頼者様が深く反省しており、偶然手が当たってしまった状況であること、速やかに私選弁護人として引き続き対応して被害者の方に示談交渉すること、本件では証拠隠滅のおそれが低いこと(電車内でカメラが設置されているということ、警察官の現認もあることなど)、逃亡のおそれも低いこと(定職があり、家族の監督も期待できることなど)を検察官に強く訴える意見書を作成・提出し、勾留請求をしないよう求めました。その結果、検察官は弁護士の意見を考慮し、勾留請求を行わず、依頼者は逮捕の翌日に釈放されました。
被害者との示談交渉: 釈放後、弁護士は速やかに被害者の方へ連絡を取り、依頼者の謝罪の意を伝えました。当初、被害者の処罰感情は強いものがありましたが、弁護士は依頼者の深い反省と、二度と同様の過ちを繰り返さないという誓いを丁寧に伝え、被害者の心情に配慮しながら、粘り強く示談交渉を続けました。複数回の交渉し、およそ3ヶ月に渡る示談交渉の末、直接被害者の方と会って改めて謝罪の意を伝え、示談金の支払いをもって示談を成立させることができました。
検察官への不起訴処分の働きかけ: 弁護士は、示談が成立したことを示す示談書と、事件の経緯や依頼者の反省状況をまとめた報告書を検察官に提出しました。そして、本件は偶発的な事件であり、示談も成立していることから、不起訴処分が相当である旨を主張しました。その結果、検察官は事件を不起訴処分としました。

④ 弁護士のコメント

本件のように、比較的軽微な暴行事件であっても、逮捕されれば勾留される可能性は十分にありますし、偶発的な事故のような暴行でも、当たりどころが悪ければ大きな怪我となり、傷害事件となります。

勾留されてしまうと、身体拘束が長期化し、会社や学校を休まざるを得なくなるなど、社会生活への影響は甚大です。

今回は、ご家族からの依頼を受け、弁護士が逮捕直後から迅速に対応したことで、まずは勾留という最悪の事態を回避することができました。これはご依頼者様の社会復帰にとって非常に大きな意味を持ちます。さらに、暴行事件傷害事件においては、被害者との示談成立が不起訴処分を獲得する上で極めて重要です。

被害者の方は当然、強い処罰感情をお持ちの場合が多いですが、弁護士が間に入ることで、ご依頼者様の真摯な謝罪と反省を冷静に伝え、被害者の方のお気持ちにも配慮しながら、粘り強く交渉を進めることが可能となります。

本件でも、諦めずに交渉を続けた結果、最終的に示談を成立させることができ、これが不起訴処分に繋がりました。

早期に弁護士に相談いただくことで、勾留の回避、被害者との示談交渉、そして不起訴処分の獲得に向けた最善の弁護活動を行うことが可能となります。

 

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