2022/09/12 刑事事件
駅でケンカ、暴行事件で現行犯逮捕されるも勾留を阻止、その後示談が成立して不起訴となった事例
①事例
駅でケンカ、暴行事件で現行犯逮捕されるも勾留を阻止、その後示談が成立して不起訴となった事例
②事案の概要
本件は、ご依頼者様が駅で相手方と肩がぶつかり、トラブルになったという事案でした。
肩がぶつかったので、ご依頼者様が「おい、気をつけろよ」というようなことを述べたところ、口論になってしまいました。
ご依頼者様は相手の言動が気に入らず、頭を1発叩いてしまい、その後胸を手のひらでドン、と突いてしまいました。
そうしたところ、口論になっていたのを見ていた第三者が呼んでいた警察官にちょうど現認され、現行犯逮捕されることになってしまいました。
③弁護士の対応
ご家族からご連絡をいただき、ご本人への接見に行き、概要や今後の対応につき確認したところ、ご本人も依頼することを望んだため、そのままご契約をしました。
翌日、検察庁への呼び出しがあるため、勾留請求しないように検察官に対し、資料などを揃えて意見書により申し入れを行いました。
しかし、検察官としては被害者に対する接触可能性があることを気にして勾留請求を行いました。
もっとも、裁判所にも同様に勾留請求があったとしても勾留決定をしないようにとの申し入れを行っていました。
裁判所も本件は勾留すべき事案ではないと考えていました。
裁判所は、被害者との接触可能性を下げるようにすることや仮に被害者と直接会うようなことがあれば速やかにその場を離れるようにする、との弁護人の意見を尊重して、勾留請求は却下されました。
検察官は勾留請求却下に対する準抗告は行わなかったため、ご依頼者様は釈放されることになりました。
その後、本件被害者の方に対して、示談の申し入れをしたところ、被害者の方もむしろ示談をしたいと望んでいました。
被害者の方は、怖い思いをしたものの、自分の発言や言動も悪かったなと思っている旨、素直に話していただきました。
そして、被害者の方には、互いに今後顔を合わせても接触しないという内容の示談書を作成してもらいたい、と申し入れをされました。
ご依頼者様も問題ないとのことで、当該内容で示談書の作成を行い、示談が成立しました。
検察官も示談成立があること、被害者が積極的に処罰することを望んでいないことなどを考慮して不起訴処分にすると述べ、ご依頼者様は不起訴となりました。
④弁護士のコメント
駅で口論になってしまい警察沙汰になってしまった、というご相談は意外と多いように感じています。
もちろん、ケンカだけではなく酔っ払いに絡まれてしまった、男性から執拗にナンパされた、などの被害者側からのご相談もあれば、今回のケースのように口論からカッとなって殴ってしまった、酔っ払っていて気が大きくなってそのまま殴ってしまった、女性に抱きついてしまった、など多種多様なトラブルがあったりします。
検察官はやはり示談の成立というものをそれなりに重要視しています。
そのため加害者側になってしまった場合には示談をしておくことが望ましいといえます。
もしも本件のように万が一自分が殴ってしまった、逆に被害者になり、トラブルに巻き込まれてしまったと感じたら弁護士に相談してみてください。
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