離婚・男女問題

2025/04/27 離婚・男女問題

内縁解消後、養育費不払いの元夫に対して調停を申立て、月額5万円の支払いが認められた事例

①事例

内縁解消後、養育費不払いの元夫に対して調停を申立て、月額5万円の支払いが認められた事例

②事案の概要

依頼者(母親)は、相手方の男性(父親)と数年間、事実婚(内縁)状態にあり、その間に子どもを一人出産しました。

子どもは父親に認知されていました。

しかし、その後、二人の関係が悪化し、内縁関係を解消することになりました。

内縁関係解消前には一定額の養育費が払われていましたが、内縁関係解消後は支払いが滞るようになりました。

依頼者は、別に連れ子がいたため、自分の収入だけでは子どもたち全員の養育費を十分に賄うことができず、将来への不安を感じていました。

何度か相手方に支払いを催促しましたが、状況が改善せず、自ら調停を起こしましたが、相手方の主張が月額3万円、18歳までということで、月額5万円、22歳までという条件を求めるご依頼者様の意向に添わなかったこと、さらに調停委員の対応も内縁の夫に沿うような発言もあり、調停委員に対しても強く不満をお持ちでした。

そこで当事務所にご相談をすることになりました。

③弁護士の対応

ご相談の際に両当事者の収入を確認した上で、養育費算定表(標準算定表)にしたがえば、月額4〜5万円になることがわかり、詳細に計算をすると月額5万円に近いことがわかりました。

そこで、調停においては、弁護士は養育費算定表に基づき、相手方の収入状況や子どもの年齢に応じた適正な養育費額を主張しました。

調停委員も算定表にしたがった内容で主張があれば、これを取り上げざるを得ません。

しかし、相手方が私生活上の収支の問題で月額3万円しか支払うことができないと述べているとのことで調停委員から、相手方の事情に配慮する形で、標準的な算定額よりも低い金額での和解を受け入れるよう依頼者側を説得するような場面が再度ありました。

しかし、実は相手方は公務員であり、収入もそれなりに大きいこと、現在は実家で暮らしているため通常の生活を営む程度であれば明らかに支払える金額であること、そうすると支払えない理由は単に私生活での浪費を行っているだけであると思われることから、それらは全く考慮されるべき話ではないこと、このまま相手方が任意に支払わないのであれば、審判によって決定するとともに役所に対して審判の結果に基づいて強制執行を行うことなどを強く示唆しました。

このように調停委員及び相手方に対して毅然とした態度で調停を進めました。

最終的に相手方が当方の主張は法律上の主張であってこれ以上反論をしたとしても審判結果で同じ結果が出てしまうことから、当方の主張を完全に受け入れました。

もっとも、調停申立てから現在までの現状の未払金を一括で支払うことができないため、賞与によって分割で解決したいという申し出があったため、ご依頼者様と相談の上、当該申し出を受け入れ、ご依頼者様のご意向が完全に反映された調停が成立しました。

④弁護士からのコメント

内縁関係であっても、子どもが相手方に認知されていれば、法律婚の場合と同様に、養育費を請求する権利があります。養育費の金額は、基本的には「養育費算定表」を参考に、父母双方の収入バランスや子どもの人数・年齢に応じて算定されますが、個別の事情(子どもの病気、特別な教育費など)も考慮されます。
養育費の支払いは、子どもの生活と成長を支えるための重要な義務です。支払いが滞った場合、まずは当事者間での話し合いを試みるべきですが、解決が難しい場合は、家庭裁判所の調停手続きを利用することが有効な手段となります。
調停で取り決めた内容は「調停調書」という公的な文書に記載され、確定判決と同じ効力を持ちます。もし将来、相手方が再び支払いを怠った場合には、この調停調書に基づいて強制執行(給与差し押さえなど)の手続きをとることも可能です。
養育費の不払いでお困りの場合は、諦めずに弁護士にご相談ください。適切な法的手続きを通じて、お子様のための権利を実現するお手伝いができます。早期にご相談いただくことで、より円滑な解決につながる可能性が高まります。

裁判所は公平に取り扱ってくれると思いがちですが、あくまでも調停は話し合いの場であり、調停委員は話をまとめるために説得しやすい方を説得してくることがあります。

そのため、実は法律上適正な支払いを求めたり、逆に払い過ぎのケースというのもなくはありません。

当事務所では、さいたま家庭裁判所における手続のみならず、全国的な裁判所の対応も可能です(最近はWEBでの対応や電話での対応が多く認められているため、実際に裁判所に赴かずに手続を進めることも可能になってきています。)

様々な養育費の事案の取り扱いがございますので、養育費の問題でお困りであれば、1度当事務所にご相談ください。

 

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