離婚・男女問題

2022/09/14 離婚・男女問題

家庭裁判所の婚姻費用審判に不服があるため、即時抗告を行い、婚姻費用の増額に成功した事例

①事例

家庭裁判所の婚姻費用審判に不服があるため、即時抗告を行い、婚姻費用の増額に成功した事例

 

②事案の概要

本件は婚姻費用の分担調停のご依頼を受け、家庭裁判所で婚姻費用分担調停を申し立てました。

調停においては相手が月額6万円しか払わないと述べていたところ、計算上、婚姻費用8万2000円支払われるべきでした。

この主張を行い、証拠提出もさまざま行いましたが、相手との合意に至らず、手続は審判に移行しました。

その後の審判では、なぜか裁判所は相手方の請求を受け入れられ、裁判所は婚姻費用は月額6万円と審判しました。

 

③弁護士の対応

そこで、当該審判に対する不服申し立て、すなわち婚姻費用分担審判に対する即時抗告を行うこととしました。

本手続は審判の告知を受けてから2週間以内に抗告状を提出しなければいけませんので、抗告状を速やかに家庭裁判所に提出しました。

また、本件では抗告理由書の提出についてさらにその2週間後までに提出するように、とかなりタイトに求められました。

相手方主張は法に則った主張ではなかったのに原審裁判所である家庭裁判所の判断はそれに依拠したことはおかしい、当方の主張は法に則った適正な主張である、ということをかなりのページ数を用いて主張しました。

その結果、抗告審の高等裁判所では、当方の主張が全面的に受け入れられて、原審家庭裁判所の審判から増額され、8万2000円、これに加えて、その差額は未払い分と認定されました。

 

④弁護士のコメント

最初に婚姻費用分担決定の決定書を受け取って内容を見た瞬間に、信じられないという感覚を持った事案でした。

見通しとして計算結果より下回ることはありえないと考えておりましたので、本来はどう考えても当方の主張が原審の家庭裁判所で認められるべきでした。

なお、明らかに公知の事実だろう、と思っていたので立証活動は特に行わずに主張のみ行った点がありましたが、その点について原審の家庭裁判所が認めてくれなかったため、抗告審では一応証拠提出したところ、証拠提出もされているが本来は公知の事実である、と明示してもらえました。

家庭裁判所の裁判官も人なので、誤ることはある、ということがはっきりわかった事案です。

当方の抗告理由が全面的に認められたため、高等裁判所で結果が是正されて本当によかったと思いました。

 

当事務所の離婚・男女問題ページはこちら

当事務所のその他の離婚・男女問題解決事例はこちら

 

弁護士ドットコムの離婚・男女問題注力ページはこちら(外部サイト)

 

離婚・不倫相談ほっとラインの当事務所紹介ページはこちら(外部サイト)

 

© 池長・田部法律事務所